豆知識
2025/02/05
『ジンクブラック』はなぜ種類が多い?めっきの低光沢処理との関係を解説
常識にとらわれない発想と技術で、お客様の期待を超える新しい価値を創造し、溶融亜鉛めっきを支えるベストパートナーとなることが当社の使命です。
そのためにも、お客様とのコミュニケーションを大切にしながら、今後も、皆様からの要望をもとに、製品の開発や改善、サービスに活かしてまいります。
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「低光沢処理されためっきを補修したら、色合いが合わない...。」とお困りではありませんか?
低光沢処理されためっきは落ち着いた風合いで意匠性が高い素材として知られる一方で、補修が難しいという声をよく耳にします。
今回は低光沢めっき補修用塗料『ジンクブラック』を紹介します。
本記事を最後までお読みいただければ、なぜ8種類ものラインナップがあるのかがわかります。
低光沢処理されためっきの補修にお困りの方は必見です。
低光沢めっき補修用塗料『ジンクブラック』とは?
日新インダストリーが製造・販売する『ジンクブラック』とは、低光沢処理されためっきの補修に最適なジンク塗料です。
低光沢処理された意匠性の高い素材の補修用途で使用されますが、亜鉛含有量が約80%と高い防食性も持ち合わせています。
標準品はエアゾールスプレー缶で販売しており、塗料の準備や後片付けが不要なため、お手軽にすぐ使用できます。
また色の種類がN3.0/3.3/3.5/3.7/4.0/4.5/5.0/6.0と豊富に用意されているのが特徴です。
■『ジンクブラック』の商品ページはこちら
溶融亜鉛めっきでなぜ低光沢処理が必要なのか?
溶融亜鉛めっき処理された鋼材は非常に光沢がある銀色をしていますが、設置場所によっては周囲の景観に馴染まない、金属光沢が眩しすぎるなど問題になる場合があります。
そこで登場するのが低光沢処理です。
低光沢処理は、鋼材を特殊な処理液に浸して結晶性皮膜を形成させる「リン酸亜鉛処理」で行われます。
低光沢処理された鋼材の特徴は以下のとおりです。
低光沢処理されためっきは灰色の落ち着いた風合いとなります。
重厚感を求めて、低光沢処理される場合もあり、意匠性を重視した処理だといえるでしょう。
低光沢処理されためっきの抱える問題点
低光沢処理されためっきには以下のような問題があります。
この中でも多くの人を悩ませるのが、仕上がりの色調です。
基本的に低光沢処理されためっきの色調は、化成処理のため発注するマンセル値±1.0程度の誤差が出る場合もあります。
例えば、N4.5で発注しても3.5~5.5の間で、ぴったりN4.5になるとは限りません。
既存の補修スプレーで色が合わないことも多く、せっかく意匠性が高い鋼材が台無しになってしまうこともよくあります。
そこで日新インダストリーが開発したのが、低光沢めっき補修専用塗料の『ジンクブラック』です。
低光沢処理されためっきの補修には『ジンクブラック』が最適!
低光沢処理されためっきの補修には『ジンクブラック』が最適です。
ここからは『ジンクブラック』の開発の経緯や特徴を深掘りしていきます。
低光沢処理されためっきの補修専門に開発された塗料
『ジンクブラック』の開発がスタートしたのは、溶融亜鉛めっきの低光沢処理がブームになっていた2016年頃です。
あるお客様から低光沢処理された鋼板の補修に関する問い合わせがあり、実際の現場を確認しにいきました。
鋼板は落ち着いた黒っぽい風合いに加えて、スパングル模様が出ており、全面を塗装すると良い感じの風合いがなくなってしまうと思い、現場で調色しながら部分的に補修したのが始まりです。
それから製品開発を本格化させて、低光沢の風合いを邪魔せずに調色の幅に対応する方法を試行錯誤しました。
カーボンの添加量を増減させることで、マンセル値をN3.0~5.0くらいまで調整できることを突き止めて、商品化にこぎつけたのが『ジンクブラック』です。
豊富な種類により繊細な補修が可能
『ジンクブラック』の最大の特徴は色の種類が多いことです。
低光沢処理されためっきに合わせてグレーから黒の色調、マンセル値で言うとN3.0/3.3/3.5/3.7/4.0/4.5/5.0/6.0の8種類を標準でラインナップしています。
前述したとおり、低光沢処理されためっきは発注した色調から±1.0の範囲で仕上がりが変わるのが一般的です。
美しい外観を保つためには、鋼材の色に合わせて繊細に補修する必要があります。
『ジンクブラック』であれば、豊富な種類によって最適な選択が可能です。
色が濃い場合は下塗りにジンクZ96がおすすめ
『ジンクブラック』はカーボンを添加することで黒色の色調を調整しています。
カーボンの添加量を増やすとより黒くなりますが、通電性があるカーボンを入れれば入れるほど、塗料の防錆力は低下します。
これは亜鉛と鉄の電気的結合がカーボンによって弱まってしまうためです。
もし鉄素地にN3.0の濃い黒色を塗りたい場合は、下塗りに亜鉛含有量が96%の高濃度ジンク塗料『ジンクZ96』を塗りましょう。
『ジンクZ96』でしっかりとさび止めしてから、上塗りでN3.0の『ジンクブラック』を使用するのが推奨方法です。
■『ジンクZ96』の商品ページはこちら
ジンクブラックの種類の多さはこだわりの証拠!
低光沢処理されためっきは落ち着いた風合いで高い意匠性を誇るのが特徴です。
しかし、処理の都合上、どうしても色調にばらつきが発生します。
『ジンクブラック』はあらゆる色調に対応するため、標準で8種類もの色調をラインナップしています。
現場の鋼材の濃淡に合わせて補修ができるため、多くのお客様から喜ばれている日新インダストリーのこだわりが詰まった製品です。
気になる方はお気軽にお問い合わせください。