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豆知識
2025/02/12
防錆塗装にはスプレーガンとエアゾールスプレーどっちがよい?

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「スプレーガンとエアゾールスプレーの使い分けがイマイチわからない...。」とお困りではありませんか?

どちらの方法も霧状の塗料を吹き付ける方法ですが、それぞれでメリットとデメリットがあるので、理解した上で使い分けることが大切です。

本記事ではスプレーガンとエアゾールスプレーの特徴をわかりやすく解説して、使い分けについて紹介しています。それぞれのメリットとデメリットを知りたい方は必見です。

 

主な防錆塗料の種類と特徴

防錆を目的とした塗料は主に以下の2種類です。

  • エポキシ系塗料
  • ジンク塗料

まずは2つの塗料の特徴を確認していきましょう。

 

エポキシ系塗料

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エポキシ系塗料はその名の通り「エポキシ樹脂」が使用されている塗料であり、ピュアエポキシ樹脂塗料と変性エポキシ樹脂塗料に大別されます。

エポキシ樹脂は紫外線によって劣化しやすい一方で、素材との密着性がとても強いのが特徴です

ピュアエポキシ樹脂塗料は耐薬品性に優れますが、防錆力はそこまで強くありません。

そこで登場するのが防錆力に特化した変性エポキシ樹脂塗料です。

ピュアエポキシと比べて耐薬品性は低いですが、優れた防錆力を発揮します。

変性エポキシは「被覆防錆」によって素材をさびから守ります

塗膜で素材を覆ってしまって、外部の水分や塩分などさびの原因から遮断するイメージです。

エポキシ系塗料は主剤と硬化剤を混ぜる2液タイプが主流であり、混合の手間や管理がかかります。

 

ジンク塗料

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ジンク塗料は、塗料の中に亜鉛(Zinc)の粉末を高濃度で含んだ防錆特化の塗料であり、「犠牲防食作用」によって素材をさびから守ります

亜鉛は鉄よりも先に溶けだす性質があり、その電気的特性を活用したのがジンク塗料です。

ジンク塗料は鉄と亜鉛の電気的特性を利用しているため、防錆効果を発揮できる素材は鉄に限られます

ジンク塗料には、無機ジンクと有機ジンク、1液タイプと2液タイプと様々な種類があります。

以下の記事でそれぞれの種類の特徴について解説していますので、興味がある方は合わせてご覧ください。

参考:無機ジンクと有機ジンクは何が違う?1液と2液の違いも解説

 

スプレーガン塗装とエアゾールスプレー塗装の特徴

スプレーガン塗装は圧縮空気によって塗料を霧状に噴射する方法であり、刷毛やローラーで塗る方法と比べて、広範囲を均一に仕上げられます

エポキシ系塗料とジンク塗料、どちらの塗料でも対応できる塗装方法であり、最も代表的な塗装方法です。

エアゾールスプレーは、缶の中に塗料とガスが充填されており、ボタンを押すことで塗料が噴射されます。

塗料の混合などの手間がなく、手軽に塗装できるのが最大の特徴です

塗装する前の準備や後片付けが不要であり、使いたい時にサッと使えます。

 

スプレーガンとエアゾールスプレーのメリット・デメリットを比較

 

メリット

デメリット

スプレーガン

・大面積を効率的に塗装できる

・膜厚管理に適している

・塗料の粘度調整が可能

・コンプレッサーや混合設備が必要

・使用後の洗浄が必須

・塗料が使いきれない場合がある

エアゾールスプレー

・塗料を混合する手間がない

・可使時間を気にせずすぐに使用できる

・使用後に洗浄する必要がない

・塗料を無駄なく使いきれる

・1回あたりの吐出量に限界があり、大面積施工には不向き

・大規模工事ではコストが割高


上の表はスプレーガンとエアゾールスプレーのそれぞれの塗装方法におけるメリットとデメリットをまとめたものです。

スプレーガンは大面積を効率的に塗装できる一方で、コンプレッサーや混合設備が必須のため、施工場所が限られます。

一方のエアゾールスプレーは、どこでも手軽に塗装できますが、1回あたりの吐出量に限界があるため、大面積の施工には向きません。

大規模工事の場合、エアゾールスプレーの方がコストが割高になるケースが多いですが、逆に小規模施工の場合は、無駄になる塗料がないため、エアゾールスプレーの方が経済的となる場合もあります

 

スプレーガンとエアゾールスプレーを使い分けるポイント

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スプレーガンとエアゾールスプレーのメリットとデメリットがわかったところで、どのように使い分けるかを施行環境と品質管理の2つの側面から確認していきましょう。

 

施工環境

前述したとおり、スプレーガン塗装にはコンプレッサーや塗料の混合設備、塗装後の洗浄設備が必要となります

これらの設備が整った環境であれば、スプレーガン塗装が適切です。

逆に出張工事など設備が準備できない場合は、エアゾールスプレーの方が適しているといえます。

スプレーガン塗装は、圧縮空気によって長時間安定した吐出ができるため、大面積の施工に最適です。

一方のエアゾールスプレーは1回あたりの吐出量に限りがありますので、ピンポイントでの補修や複雑形状への塗装に向いています。

 

品質管理

塗装の品質について厳密な管理が必要な場合は、スプレーガン塗装の方が向いています。

スプレーガン塗装は塗料の粘度調整や膜厚調整に適しており、広範囲で均一に施工できるのが特徴です。

エアゾールスプレーはあくまで簡易的な補修用と考えておきましょう

 

スプレーガンとエアゾールスプレーは相互補完の関係!

スプレーガンとエアゾールスプレーは、それぞれのメリットとデメリットを理解して使い分けることで相互補完が可能です。

大規模施工ではスプレーガン、補修作業ではエアゾールスプレーと現場によって使い分けましょう

日新インダストリーではジンク塗料の他にも、2液型が主流である変性エポキシ塗料をエアゾールスプレー化した『変性エポスプレーNEXT』など特徴のある防錆塗料を取り扱っております。

 

防錆塗装にお困りの方には、スプレーガンとエアゾールスプレーの使い分けを含めてご提案できますので、お気軽にお問い合わせください。

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