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豆知識
2025/01/22
無機ジンクと有機ジンクは何が違う?1液と2液の違いも解説

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「現場の補修でジンク塗料を使いたいけれど、何を選べばよいのかわからない...。」とお困りではありませんか?

一言でジンク塗料と言っても、無機ジンクや有機ジンク、さらには1液タイプと2液タイプのように種類が多いため、選定でお悩みの人も多いでしょう

本記事では有機ジンクと無機ジンク、1液と2液の違いなどをわかりやすく解説しています。

ジンク塗料の選定でお困りの方は必見です。

 

無機ジンクと有機ジンクの比較早見表

  無機ジンク 有機ジンク
樹脂 シリケート系(ケイ素) エポキシ系
アクリル系
メリット 防食性に優れている
耐熱性に優れている
耐候性に優れている
塗膜の膨れが生じにくい
作業性が良い
密着性が良い
塗料配合の自由度が高い
塗膜の加工性、たわみ性が良い
デメリット 硬化中に気泡が入りやすい
高度な下処理が必要
作業性が悪い
防食性の持続が短い
樹脂により耐候性、耐溶剤性が劣る
塗膜の膨れが起こる場合がある
溶剤を使用するため引火性有り

 

上の表は有機ジンクと無機ジンクをわかりやすく比較したものです。

有機ジンクと無機ジンクは使用されている樹脂が違うと覚えておけばよいでしょう。

有機ジンクは作業性は良いですが、防食性の観点からは無機ジンクに劣ります。

一方の無機ジンクは高い防食性を誇る一方で、下地処理がブラスト一択となるため、工場塗装など用途が限られるのがデメリットです

 

ジンク塗料を塗る前の下地処理の比較

  無機ジンク 有機ジンク(2液) 有機ジンク(1液)
表面粗度 25~75μm 25~50μm 特に規定なし
清浄度 ISO Sa2 1/2以上 ISO Sa2以上 動力工具処理で可


上の表はそれぞれのジンク塗料を塗る前の下地処理で要求される事項をまとめたものです。

それぞれを詳しく確認していきましょう。

 

無機ジンクの場合

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無機ジンクの塗膜はとても硬く高い防食性を誇る一方で、素材と塗膜に密着不良があると、塗膜の割れや剥離の原因になりやすいというデメリットがあります。

そのため、厳密な下地処理が必要です

素材の清浄度はISO Sa2 1/2以上が要求されます。

これは「ニューホワイトメタル」というグレードであり、目に見えるさびや塗膜、異物などが無い状態で、金属が白っぽく輝いて見えるほどの清浄度です。

素材を「ニューホワイトメタル」の状態にしようと思うと、ショットブラストやサンドブラストのような大型の設備が必要となるため、工場での処理が必須といえます

 

有機ジンク(2液)の場合

2液タイプの有機ジンクは、無機ジンクと比較すると下地処理の要求仕様が少し緩やかです。

素材の清浄度はISO Sa2以上(コマーシャルブラスト)が推奨されていますが、ディスクサンダーなどの電動工具などでも対応できます

無機ジンクと比べて下地処理の要求が緩やかなのは、エポキシ樹脂やアクリル樹脂が素材に対しての密着性が高いためです。

多少の塗膜やさびが残っていても、塗膜が剥離しにくいのが特徴です。

 

有機ジンク(1液)の場合

1液タイプの有機ジンクは、3種類の中で最も下地処理の要求仕様が緩やかとなります。

素材の清浄度については特に規定がなく、電動工具の他にもブラシなどの手工具でも対応が可能です

1液タイプの有機ジンクは、塗布すると溶剤が揮発して塗膜が形成されます。

2液タイプの有機ジンクのように主剤と硬化剤を混ぜて化学反応を起こす必要がないため、下地の状態が多少悪くても塗膜の性能を発揮することが可能です。

 

有機ジンクと無機ジンクの使い分け方

下地処理の違いがわかったところで、実際にどのように使い分ければ良いのか確認していきましょう。

ここでも無機ジンク、有機ジンクは1液と2液の3種類を比較していきます。

 

無機ジンクが向いている用途

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無機ジンクは非常に耐食性が高い一方で厳密な下地処理が要求されるため、工場での施工がマストです

そのため、新設の構造物で厳しい腐食環境にさらされる製品に適用されています。

  • 海洋構造物
  • 化学プラント
  • 橋梁
  • 高温環境で使用される製品


施工するハードルは高いものの、過酷な環境でも耐えられる耐食性を持つのが無機ジンクの最大の特徴です。

 

有機ジンク(2液)が向いている用途

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2液タイプの有機ジンクは、無機ジンクに次ぐ耐食性を誇るため、以下のような一般的な重防食用途で多く使用されています。

  • 一般的な鋼構造物
  • 産業施設
  • タンクの外面
  • 配管設備


主剤と硬化剤の化学反応によって強固な塗膜が形成されるため、高い防食性が要求される箇所でも安心して使用可能です

ただし、主剤と硬化剤の混合比率を間違わない、ある程度の下地処理を行うなど施工に関しての注意を守る必要があります。

 

有機ジンク(1液)が向いている用途

1液タイプの有機ジンクは、3種類の中でも最も作業性が良いのが特徴です

そのため、メンテナンスや補修工事で多く使用されています。

  • 現場でのタッチアップ作業
  • 小規模の補修
  • 下地処理が困難な箇所への塗装


このようにどちらかと言えば「現場での補修」に適しています。

1液タイプの有機ジンクは、2液タイプのように混合比率を気にする必要もなく、手軽に施工できるのが最大のメリットです。

 

有機ジンク(1液)のみエアゾールスプレータイプも可能

1液タイプの有機ジンクのみエアゾールスプレータイプがあります。

エアゾールスプレーとは、容器内に圧縮ガスを封入しており、ボタンを押すことで塗料を噴射できるものです。

通常の刷毛塗りでは対応しにくい、狭小部や複雑形状のワークの補修や現場での小規模補修には最適の1本だといえます

保管や持ち運びにも適しており、無駄なく必要な分だけ使用することが可能です。

 

ジンク塗料でお困りの方は日新インダストリーまでお問い合わせください

ジンク塗料は使用する箇所や必要となる耐食性に応じて適切なものを選ぶことが大切です。

要求される下地処理が異なるため、それぞれのジンク塗料の特徴を頭に入れておきましょう。

 

もし現場での補修でジンク塗料をお探しであれば日新インダストリーまでお問い合わせください。

使いやすい1液タイプの有機ジンクから最適なものをご提案いたします。

 

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