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豆知識
2024/10/15
溶融亜鉛めっき上の塗装はできる?耐食性と美観を両立させたい方は必見!

「溶融亜鉛めっきの防錆力をさらに高めたい!」と思ったことはありませんか?

溶融亜鉛めっきは上からの塗装が可能であり、塗装することで耐食性や耐薬品性をさらに高められます

本記事では溶融亜鉛めっき上の塗装を行う理由や塗装時の注意点などをわかりやすく解説しています。

めっきの耐食性と塗装の美観を両立させたい方は必見です。

溶融亜鉛めっきの特性

溶融亜鉛めっきは、高温で溶かした亜鉛が入った槽に鉄を浸して処理する方法のことです。

この処理を行うことで、鉄と亜鉛の間に金属間化合物層が形成されて、非常に強固な保護層が生まれます。

亜鉛は鉄よりもさびやすい金属であり、以下2つの作用によって鉄をさびから守るのが溶融亜鉛めっきの特徴です。

  • 犠牲防食作用:傷などで鉄が露出しても、亜鉛が先に溶けて鉄をさびから守る
  • 保護被膜作用:鉄の上に亜鉛の酸化被膜が形成される


溶融亜鉛めっきは、鉄をさびから守るために行われる処理だと覚えておきましょう


溶融亜鉛めっき上の塗装を行う理由

溶融亜鉛めっきは鉄をさびから守るために行われる処理ですが、以下の理由によってめっきの上から塗装を行う場合があります。

  • 耐食性や耐薬品性を上げたい
  • めっき特有の外観を変更したい


それぞれの理由を掘り下げて確認していきましょう。

 

耐食性や耐薬品性を上げたい

溶融亜鉛めっきには優れた防錆性能がありますが、海岸地域や工業地帯などの過酷な環境では保護性能が低下する可能性があります。

この場合、溶融亜鉛めっき上の塗装を行うことで、亜鉛の消耗速度を遅らせて、より長期的に鉄を保護することが可能です

溶融亜鉛めっき上の塗装を行うことで、亜鉛めっきと塗膜という複数の保護層を持つことになるため、耐食性や耐薬品性が向上します。

 

 

めっき特有の外観を変更したい

溶融亜鉛めっきは鉄の表面に亜鉛が付着しており、めっき特有の銀白色で光沢がある外観が特徴的です。

耐食性には優れていますが、建築物や装飾したい箇所によっては見た目を変更したいというニーズもあるでしょう。

そんな場合は、めっき上の塗装を行うことで、お好みの色に変更が可能です

美観やデザイン性を重視する現場では、めっき上の塗装を行って好みの色や質感に外観を変更させることもあります。

溶融亜鉛めっき上の塗装が向いている用途

溶融亜鉛めっき上の塗装は、特に以下の場面で有効です。

  • 海洋構造物:海水に浸される過酷な環境で長期的な耐食性を確保
  • 橋梁:美観を保ちながら、長期的な耐久性を実現
  • 工業用設備:化学物質に対する耐性を高めて、設備の寿命を延長
  • 安全標識や警告表示:長期的な耐久性と視認性を両立


このように耐食性や耐薬品性などの耐久性を向上させる用途はもちろんのこと、
美観や視認性が求められるケースで溶融亜鉛めっき上の塗装は効果を発揮します

溶融亜鉛めっき上の塗装における注意点

溶融亜鉛めっき上の塗装を行う際は、以下の注意点を頭に入れておきましょう。

  • 塗料を選ぶ必要がある
  • 素地調整を入念に行う
  • プライマー塗装してから上塗りする


それぞれの注意点を詳しく確認していきます。

 

塗料を選ぶ必要がある

溶融亜鉛めっきは、鉄よりさびやすい亜鉛の金属的性質によって防錆力を高めています。

この亜鉛の金属的性質が塗装を行う際に悪さをすることがあるので注意が必要です。

溶融亜鉛めっき上の塗装を行うときには、亜鉛と反応しない塗料を選ぶ必要があります

一般的にはエポキシ系やウレタン系の塗料が使われることが多いですが、塗料に含まれる成分によっては亜鉛と反応してしまう可能性もあるため、塗料メーカーへ問い合わせたり、試し塗りをしたりと事前に確認することが大切です。

 

素地調整を入念に行う

溶融亜鉛めっき上の塗装を行う際は、表面の状態に合わせて素地調整を入念に行いましょう。

  • 新設の場合:油分を脱脂洗浄した後、付着性を確保のために軽くブラスト処理する
  • 既設の場合:表面のほこりやごみ・油分を洗浄して、白さびや赤さびを工具で落とす


このように新設か既設かによって内容が少し異なりますが、どちらも
溶融亜鉛めっき上の塗装が密着しやすいように素地調整することが大切です

 

プライマー塗装してから上塗りする

表面を素地調整した後は、プライマー塗装を行いましょう。

プライマーは亜鉛めっき層と塗料の密着性を高める下地剤として重要であり、塗布することで上塗り塗料が剥がれにくくなり塗膜の耐久性が向上します。

ただし、溶融亜鉛めっきの上にジンク塗料を塗って耐食性を向上させる場合はプライマーは不要です。

亜鉛めっき面とジンク塗料は直接触れさせる必要があり、プライマーを挟むことで効果がなくなってしまいます。

プライマーが必要かどうかは上塗りする塗料の種類で変わると覚えておくとよいでしょう。

溶融亜鉛めっき上の塗装は注意点を守れば効果大!

溶融亜鉛めっきは単独でも高い防錆力を誇りますが、上から塗装することでさらに素材の耐久性を高められるでしょう。

溶融亜鉛めっき上の塗装を行う際は、相性の良いプライマーと塗料を選ぶことが重要です。

最良の選択ができれば、塗膜の性能を最大限発揮できます

溶融亜鉛めっきの防食性をさらに高めたいという方には、上塗りにジンク塗料がおすすめです。

日新インダストリーまでお問い合わせいただければ、最適なジンク塗料を選定しますので、お気軽にお問い合わせください。

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