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配合が難しいマグネシウムを塗料に2000年、「100年防食構想」に基づき、優れた耐食性を持つ溶融亜鉛・アルミニウム・マグネシウム合金めっき(高耐食性めっき)が実用化されました。ところが、高耐食性めっきが急速に普及しつつあるにもかかわらず、切断面や溶接後の補修方法は確立されておらず、従来の亜鉛めっき補修剤が使われる状況が続きました。そんな中、ある鋼板加工会社から当社へ、こんなご依頼がありました。「高耐食性めっきと同じ配合の塗料を作れないだろうか?」補修塗料の業界において、マグネシウム含有塗料の開発は難しいとされています。その理由は、マグネシウム粉末は粒径が大きく、もっとも細かなものでも150μmが限界で、そのままでは塗膜表面に凹凸ができてしまうため。しかも発火性が高く、粉末を細かく砕く作業にも危険性がありました。大手塗料メーカーも成し得ていないこの難題は、当社にとっても難しい挑戦です。しかし、当社社長の川西紀哉は「お客さまの声にお応えしたい!」という想いに突き動かされ、開発に乗り出しました。
アルマグ合金に着目し、活路を拓く当社がこれまで販売してきた亜鉛粉末塗料の推奨膜厚は80μm。その膜厚に近づけるため、さまざまな素材を検討した結果、アルミニウム・マグネシウムを50:50で合金にしたアルマグ合金粉末に着目。この合金粉末を細かく粉砕すると、平均粒径45μmまで小さくできることがわかりました。アルマグ合金粉末を使うことで、マグネシウムを含有させることが可能になりますが、それでも従来製品に比べると粒径が大きく、腐食が発生する可能性がありました。そこで以前から原材料として使用している亜鉛粉末(粒径4μm)と亜鉛フレーク粉末(粒径2μm)を豊富に配合することに。その結果、粒径の大きなアルマグ粉末をしっかり包み込み、それほど凹凸が目立たない塗装面を実現することに成功しました。
腐食試験を繰り返し、最適な配合比率を追求配合する成分粉末が決まったら、次の課題はその配合比率です。最適な配合比率を求めて、当社は促進腐食試験を繰り返し、バランスのよい配合を探し続けました。促進腐食試験は、大きく分けて塩水噴霧試験と複合サイクル試験の2つ。塩水噴霧試験ではひたすら塩水をかけ続け、複合サイクル試験では塩水⇒湿潤⇒湿風乾燥⇒熱風乾燥を繰り返します。いずれも過酷な状況下を人工的につくり出して、屋外暴露に近い状態を再現しました。塩水噴霧試験を1度実施するのに、要する時間はおよそ1ヵ月。数えきれないほど試験所へ通い、高い耐食性を目指して、配合比率を少しずつ変えながら試験を繰り返しました。地道な努力は、やがて実を結びました。耐食性がもっとも高くなる配合は、乾燥塗膜中のアルミニウム含有量が6%、マグネシウムが3%と判明したのです。塩水噴霧試験1500時間、1回あたり8時間の複合サイクル試験を160回繰り返した末のことでした。こうして高耐食性めっきの補修に適した画期的な塗膜設計が完成しました。トップクラスの防錆力を備え、マグネシウムを含有した高耐食性めっき補修剤。当社はこれを「マザックス®(MAZAX®)」と命名し、2015年5月にエアゾールタイプを、6月にはハケ塗りタイプを発売。特許を取得し、商標登録もすませました。その反響は当社の予想以上に大きく、数多くのお客さまからお問い合せをいただき、現在では多くの現場で採用されています。>>>マザックス製品ページ
常識にとらわれない発想と技術で、お客様の期待を超える新しい価値を創造し、溶融亜鉛めっきを支えるベストパートナーとなることが当社の使命です。そのためにも、お客様とのコミュニケーションを大切にしながら、今後も、皆様からの要望をもとに、製品の開発や改善、サービスに活かしてまいります。
FAX:03-3232-6953
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配合が難しいマグネシウムを塗料に
2000年、「100年防食構想」に基づき、優れた耐食性を持つ溶融亜鉛・アルミニウム・マグネシウム合金めっき(高耐食性めっき)が実用化されました。
ところが、高耐食性めっきが急速に普及しつつあるにもかかわらず、切断面や溶接後の補修方法は確立されておらず、従来の亜鉛めっき補修剤が使われる状況が続きました。そんな中、ある鋼板加工会社から当社へ、こんなご依頼がありました。
「高耐食性めっきと同じ配合の塗料を作れないだろうか?」
補修塗料の業界において、マグネシウム含有塗料の開発は難しいとされています。
その理由は、マグネシウム粉末は粒径が大きく、もっとも細かなものでも150μmが限界で、そのままでは塗膜表面に凹凸ができてしまうため。しかも発火性が高く、粉末を細かく砕く作業にも危険性がありました。
大手塗料メーカーも成し得ていないこの難題は、当社にとっても難しい挑戦です。しかし、当社社長の川西紀哉は「お客さまの声にお応えしたい!」という想いに突き動かされ、開発に乗り出しました。
アルマグ合金に着目し、活路を拓く
当社がこれまで販売してきた亜鉛粉末塗料の推奨膜厚は80μm。その膜厚に近づけるため、さまざまな素材を検討した結果、アルミニウム・マグネシウムを50:50で合金にしたアルマグ合金粉末に着目。この合金粉末を細かく粉砕すると、平均粒径45μmまで小さくできることがわかりました。
アルマグ合金粉末を使うことで、マグネシウムを含有させることが可能になりますが、それでも従来製品に比べると粒径が大きく、腐食が発生する可能性がありました。そこで以前から原材料として使用している亜鉛粉末(粒径4μm)と亜鉛フレーク粉末(粒径2μm)を豊富に配合することに。その結果、粒径の大きなアルマグ粉末をしっかり包み込み、それほど凹凸が目立たない塗装面を実現することに成功しました。
腐食試験を繰り返し、最適な配合比率を追求
配合する成分粉末が決まったら、次の課題はその配合比率です。
最適な配合比率を求めて、当社は促進腐食試験を繰り返し、バランスのよい配合を探し続けました。
促進腐食試験は、大きく分けて塩水噴霧試験と複合サイクル試験の2つ。塩水噴霧試験ではひたすら塩水をかけ続け、複合サイクル試験では塩水⇒湿潤⇒湿風乾燥⇒熱風乾燥を繰り返します。いずれも過酷な状況下を人工的につくり出して、屋外暴露に近い状態を再現しました。
塩水噴霧試験を1度実施するのに、要する時間はおよそ1ヵ月。数えきれないほど試験所へ通い、高い耐食性を目指して、配合比率を少しずつ変えながら試験を繰り返しました。
地道な努力は、やがて実を結びました。
耐食性がもっとも高くなる配合は、乾燥塗膜中のアルミニウム含有量が6%、マグネシウムが3%と判明したのです。塩水噴霧試験1500時間、1回あたり8時間の複合サイクル試験を160回繰り返した末のことでした。
こうして高耐食性めっきの補修に適した画期的な塗膜設計が完成しました。
トップクラスの防錆力を備え、マグネシウムを含有した高耐食性めっき補修剤。
当社はこれを「マザックス®(MAZAX®)」と命名し、2015年5月にエアゾールタイプを、6月にはハケ塗りタイプを発売。特許を取得し、商標登録もすませました。
その反響は当社の予想以上に大きく、数多くのお客さまからお問い合せをいただき、現在では多くの現場で採用されています。
>>>マザックス製品ページ